学生が行く!宮城伝統の技150

宮城に息づく伝統・文化、歴史等から生まれた企業や団体を取材!
学生の皆さんによる新たな発見を紹介します。

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みやぎ蔵王こけし記念館

展示室に広がる無数の表情___みやぎ蔵王こけし館で取材させて頂いたのは、蔵王町観光物産教会の主事 齋藤香織さん。

こけしは、江戸時代後期に子どもの玩具として誕生したと考えられていますが、その発祥は未だに謎が多い伝統工芸品です。
伝統こけしは12の系統に分けられ、本館では、頭が大きく直胴、目が三日月、そして、菊の花の模様が特徴的な遠刈田こけしをはじめ、5500本のこけしが展示されています。その展示数は世界一!一本一本が手作業なので、唯一無二のこけしが勢揃いしているのです。
齋藤さんは「笑っているように見えたり、泣いているように見えたり…。受け取り手によって表情の感じ方が違うのが伝統こけしの魅力で、心が和みます。」と話してくれました。

昭和はじめに、温泉地のお土産として流行した後、バブルがきっかけとなった第2ブーム、創作こけしや「こけ女(こけじょ)」というこけしを集める女性を意味した言葉も生まれた東日本大震災後と、これまで3回のブームがありました。

いずれにしても、こけしマニアの方々の存在が大きいと齋藤さんは話します。中には、どの工人が描いたかまで分かる方も!マニアから学ぶことも多いそうです。

 伝統こけしは作る家系によって模様が異なり、師匠が子どもや孫、あるいは弟子に技術を代々受け継ぎます。しかし、師匠の高齢化や、工人になったもののこけしのみでは生活していけない理由から職を手放す人もいるため、継承者の不足が生じています。この問題を受けて、血統にかかわらず、「伝統のためにやる気がある人」を募集したところ、現在、新潟県や大阪府出身の工人が遠刈田こけしの伝承に貢献しています。

「こけしを鑑賞するだけではなく、実際に絵付け体験をしてもらいたい。」と、オンラインや出張での絵付け体験も行っています。
オンラインショップの開設によって、アメリカやフランス、アジア各国からも注文があり、こけしの輪は更に世界へと広がっています。

枠にとらわれないこけしの継承と販売方法から、伝統を超え、より手に取りやすい環境を提供したいという熱意が伝わり、また、こけしが愛され続けている理由を実感しました。

「遠刈田こけしをもっと沢山の人に知ってもらいたい。」___知れば知るほど奥が深いこけしの魅力は計り知れません。
遠刈田こけしの表情から、皆さんは何を感じるでしょうか。